今日は以下の本の第4章を読みます。
- 小林・坂本(著)、佐々木(監修),2017, イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb技術の基本, SBクリエイティブ, 東京
鳥瞰図
第2章 → 第3章 → 第4章の流れ
ご注意
テキストの章を示す【第◯章】の語と、ネットワークのレイヤーを示す【第□層】の語の2つの語が混在しているので、注意しながらお読み進め下さい。
第2章と第3章とで2つのネットワークの層(レイヤー)が扱われました。第4層と第7層です。
では、続く第4章では、第3章のアプリケーション層(第7層)の上の「第8層」が扱われるのかと予測される方もいらっしゃるかもしれません。 その答えは YES でもあり、NO でもあります。
章 | 大分類 | プロトコル名 | レイヤー名 | 階層番号 |
---|---|---|---|---|
第2章 | 通信 | TCP | トランスポート層 | 第4層 |
第3章 | 通信 | HTTP | アプリケーション層 | 第7層 |
第4章 | 通信されたデータの解釈 | ??? | ??? | 第8層!? |
OSI参照モデルには第7層までしか存在せず(「第8層」は定義されておらず)、第4章で扱われるのはネットワークを介したやり取りを必要としない題材ですので、確かに、答えは NO と言えます。
しかし、webに必要な一連のプロトコル群として、考える範囲を通信のプロトコルに限定せず、通信されたデータの解釈の仕方まで広げれば、それを「第8層」と捉えられなくもないと思います。そうすると、テキストの流れは第2章 –> 第3章 –> 第4章と連綿と続いていると捉えられます。
このようにテキストの構成自体は、上記の通りの流れになっているのですが、章節の冒頭などに、その旨が明示的には記されていませんので、念のため、一言記しておきます。
流し読み推奨
上のような繋ぎの詞(ことば)の欠落は、フラクタルに、節と節との間でも発生しています。
それは、見開きで一つのテーマを扱う編集方針の負の側面であり、仕方がないのかもしれませんが、全体像を把握していない(初学の)段階では、前後との関係を掴みづらく、読みこなしていくのはなかなか辛い物があるかもしれません。
さらに、2017年の初版後、印刷は重ねているものの、版は改められていないので、陳腐化している情報もあります。
これらを勘案すると……
確かに、Information & Communication Technology(ICT)エンジニアとしては、知っておくべき題材ばかりなのですが、広く浅く流し読みしておいて、「イザ」というときのアンテナに引っ掛かるようにしておけば十分だと思います。
流し読みのための分類
流し読みだとしても、少なからず一度は読む必要がありますので、羅列状態から脱し、読みやすくするために、第4章の各節を以下のように分類してみました。(節の番号と表中の並びはバラバラです。)
大分類 | 小分類 | 節 |
---|---|---|
体裁を排した内容そのもの | 構造化された文章 | 4-01 HTML |
ラスタ画像 | 4-02 WEBベージで使用される画像形式 | |
ベクタ画像(SVG) | 4-03 XML | |
数式(MathML) | 4-03 XML | |
音声 | 4-10 音声・動画配信 | |
動画 | 4-10 音声・動画配信 | |
メタ情報(更新情報) | 4-08 フィード | |
メタ情報(HTMLには規定されていない属性の付与) | 4-09 マイクロフォーマット | |
体裁(装飾や見た目) | 基本概念 | 4-04 CSS |
閲覧環境ごとの切り換え | 4-11 メディアタイプ | |
動的な処理 | 処理のプログラミング(ランタイム) | 4-05 スクリプト言語 |
処理のためのAPI | 4-06 DOM | |
処理対象(データ構造) | 4-03 XML | |
4-07 JSON |